田中六五 2021 全国新酒鑑評会 純米大吟醸9号酵母 金賞受賞酒 2021年9月23日発売

 

この度、私、田中克典は、2021年の「全国新酒鑑評会」にて金賞を受賞したお酒を、みなさまへお届けいたします。

 私が蔵に戻ってから今まで、一度たりもこの「鑑評会」に出品したことはありませんでした。理由は、コンテストそのものに意味を見いだせなかったからです。金賞を狙って造られる酒のほとんどは、香りが非常に高く、かつ甘く、一般的な飲食のシーンにはそぐわないものです。市販酒とかけ離れた酒を造って評価しても、それがいったいなんになるでしょう?

 私、田中克典にとっては、常日頃お客さんに飲んでいただく酒がすべてです。ですから、コンテストのためにポリシーを曲げてまで、特殊な味の酒を造ることは避けていました。

 しかし今回は、自分の流儀をそのまま活かしたうえで、出品してみたのです。

 これには理由がありました。今回、普段から仲良くさせていただいている二つのお蔵さん-----「花の香」そして「七本槍」という蔵と、ちょっとした腕比べの競争をしようということになったからです。

  精米歩合を35%にする以外は、昔ながらの9号酵母、そして純米造りと、普段の自分たちのスタイルを完全に踏襲して出品するというルールで腕を競ったのです。さて、私以外の2つの蔵は、健闘したものの残念ながら予選落ちとなってしまいました(きっと彼らは来年、雪辱を果たすことでしょう)。一方、当方の酒は、非常に良い出来となり、結果として金賞をいただく名誉に預かりました。

 香りにも甘味にも、そして醸造用アルコールにも頼らず、本質的な美味さのみで審査員の心を射抜いたのだとしたら、これはたいへんありがたいことだと感じています。ぜひ、ご興味ある方はお手にとっていただき、この感動をともにしていただけたらと思います。

 

販売ページはこちら

※在庫がなくなり次第販売終了いたします。

 

田中六五

 

自然に恵まれた福岡県糸島市を故郷に、先人の知恵に学ぶ酒づくりを続けています。糸島は、知る人ぞ知る山田錦の産地です。初夏の田植え。緑の稲が風にそよぐ夏。開花、出穂。黄金色の頭を垂れる秋。その成長の一日一日を私たちは肌で感じ、冬の造りを迎えます。酒米の最高峰といわれる山田錦。栽培適地の候補に挙がった糸島地区は、地道に研鑚を重ね、有数の産地に成長。白糸酒造はいつしか「山田錦の田んぼに囲まれた蔵」という地の利に恵まれることとなりました。「糸島に白糸酒造あり」故郷の人々が丹精込めた糸島産山田錦の酒を造り始めたのは、平成元年のこと。地元の米で酒を醸し、昔ながらのハネ木搾りという上槽法でやさしく搾る。それが白糸酒造の酒です。今年も<糸島>への敬愛と感謝を酒一滴(ひとしずく)に込めて。